2014年5月12日月曜日

<後記> 第23回ゲスト:小野寺綾さんより

4月18日、映像美術作家のエストニア在住のALIMOさんと、充実した対談をさせて頂きました。

言い間違いの多い私が、どこまで話せるかなと、不安だったのですが、ALIMOさんと、東京でテクニック担当をして頂いた大野さんと、とても楽しい時間を持てました。見てくれた方にも、伝わって下さったら幸いです。

今回、1時間45分というとても長い対談になったのですが、これから見ようと思って下さっている方で、時間を短縮したい方がいましたら、50分くらいの時間帯から見られると作品についての内容が濃く、話しが熟成されてきたころだと思います。もちろん留学したい方でしたら、最初からがお勧めと思います。

対談の内容は「21歳の時になぜドイツに留学したのか」からこのドイツ滞在歴9年についてお話しさせて頂きました。大まかな項目と目安の時間を書かせて頂きます。


女子美術大学短期大学部時代から進学、ドイツ留学への決意、渡独(00:08:00)
語学学校での劣等生時代(00:13:00)
ライプツィヒでのレジデンス経験(00:23:00)
ベルリン芸術大学時代(00:40:00)
制作について(00:48:00)
ベルリンでの絵描きとしての生活、(00:54:00)
東日本大震災を通して、心境の変化(00:59:00)
日本へ帰国をしようとして(01:05:00)
2011年シリーズ『海の脈』(01:11:00)(01:19:00)
焦る気持ちや嫉妬心の消失(01:16:00)
新作シリーズ『Fragments』、ギリシャでのレジデンス経験(01:20:00)
純粋に絵を描くこと(01:32:00)
この9年での絵の変化(01:36:00)








私はありのままに話せることができました。
ALIMOさんとは初対面でしたが、個性的なところはもちろんですが、とても素直な方だなあという印象でした。誰でも自分の良いところを言いたいと思うのですが、ALIMOさんはそうでないところも隠さず話していらっしゃって、率直に自分を飾らずに話せる大人の方でした。

英語もドイツ語もできなかった私が、人生初めて乗った飛行機で、知り合いもいないドイツへ単身移住したので、留学したいけど迷っている人がいましたら、勇気がでそうな内容になっているのではないでしょうか。

私がベルリンを留学先に選んだのは、物価が安く自活していけるところ、大学の学費がないこと、ベルリンという街が壁が崩壊してから街もアートシーンも発展をどんどんしている街と聞いたからでした。

20歳の私は、日本の大学制度と風習、考え方にとても窮屈な思いをしていました。

金銭的な面での進学問題、芸大美大の入試制度、女性の社会での在り方、そして日本の美術界、貸し画廊や企画画廊のヒエラルキーなどにも、20歳の私にとっては、自由とはあまり思えず希望が持てなかったのでした。

ベルリンのアートシーンやドイツの芸大の受験制度などを調べた時、辞書を必死でめくりながら、一人静かにすごくワクワクしたことを今でも覚えています。

今まで、当たり前だと思っていたことが、根底からひっくり返された瞬間でした。進学の可能性はないと諦めかけていた自分に、一筋の光が射したような気持ちになったのでした。

その時、私は自分自身をベルリンの街と一緒に発展させたいと強く思ったのでした。

特に、ドイツの芸大では、表面的なテクニックよりも、その人自身の考えや哲学、人生観、アイデアが重視されています。高校3年生の頃、毎日デッサンを油絵でして、「テクニックやセンスだけに走って、大事な絵心を忘れてしまいそうで、絵を描くことを嫌いになりたくないなあ。」と危惧したことがありました。

昔からテクニックなどではなく、魅力的な作品に、ただ純粋に興味があります。

将来、自分が学歴、賞、所属先など、そういう付属品で自信を持つのではなく、生き方と作品で自信を持てる人間、そして女性になりたいと20歳の時に思ったのでした。

対談の中でも、お話したのですが、私は自分に絵描きとしての才能があるとは思っていません。

ただ、好きなことを続けて来ただけなんだと思います。

このドイツ生活で気をつけていたことは、絵を描くこと、語学習得はもちろんですが、「人と出逢っていくこと」これをとても大切にしてきたように思います。

世界中のいろんな人達に出逢いたいと思ってきました。
もちろん中には本当にひどい人も危ない人も利用してくる人もいました。
でもどんな経験もその分、素晴らしい人に出逢った時の感動が一入ありました。

その価値観の様々な波の中で、自分がどんどん洗われていって、今の自分が出来上がってきたように思います。

先月30歳になったのですが、昔はコンプレックスの塊でしたが、今の自分は自由で柔らかになっていて、とても生きやすくなりました。よりいっそうワクワクするような30代が始まりました。

私が今、何かを始めたい人に言えることは、始める前から、自分で自分の可能性を潰したり、諦めないでほしいです。そして自分の回りの状況を言い訳にしないで欲しいのです。

なにかを始めて続けることは、たとえ最初の目標とは異なったとしても、自分自身の純粋な結晶のようなものが、そこに生まれるのだと思います。それは確固とした自信に繋がります。

今、私は仕事に、制作、展示、ワークショップなどを抱えていて、忙しいながらもとても充実しています。自活しながら、好きなことを続けられて、自分の人生を楽しめています。

そういう環境を勇気と努力で作れたことは、生きた財産だと思います。
これからも誠実に作品を創って、そしていろんな人に出逢っていきたいと思います。

長文になりましたが、最後まで読んで下さって、ありがとうございました◎

ALIMOさん、大野さん、たくさんご迷惑もご心配もお掛けしてしまいました!
今度はわが故郷、気仙沼の名酒「蒼天伝」と一緒にお話ししましょう*
これからも是非よろしくお願いします!

偶然の出逢いに、たくさんの感謝を込めて


小野寺綾

2014年5月3日土曜日

放送のお休みについて

番組のモデレーターALIMOが体調を崩しており、現時点では回復が見通せないため、しばらくお休みいたします。
一先ずは5月から6月中旬までお休みさせていただきます。再開できるか否かは未定です。

2014年4月16日水曜日

第23回ゲスト:小野寺綾

第23回 SALONAIRは、4月20日(日)日本時間 23時スタートです! 



1984年    宮城県気仙沼市出身
2005年より  ドイツ連邦共和国ベルリン市在住
2012年    ベルリン芸術大学造形学部絵画科研究生 
        ブァクハァード・ヘルド教授師事
        (平成23年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員)
2008-2011
年 ベルリン芸術大学造形学部絵画科卒業
        2008−2009年 フランク・バドァー教授師事
        2010−2011年 ブァクハァード・ヘルド教授師事
2007
年    ベルリン芸術大学造形学部絵画科聴講生 フランク・バドァー教授師事
2005
年    女子美術大学短期大学部造形学科絵画抽象コース卒業
受賞並びに奨学金
2011 平成23年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員
2005  
卒業制作研究室奨励賞 [女子美術大学短期大学部造形学科]
個展
2012 The small blue garden
    [NCR Kleingartenanlage in 48 stunden Neukölln, ベルリン]
2011 Vein [G11 Galerie ベルリン]
    Das Meer nimmt alle Herzen, Leben mit 
    [Baumwollspinnerei, ライプツィヒ]
 
2009   Was am Flussufer des Tagesanbruchs gesehen wurde,
         war vielmehr ein Gebet als Wörter
    [グレーヴェン市芸術協会]
2008    Der Vermilion Raum
    [OHAYO JAPAN!/リンデンフェルスウェストフリューゲル、ライプツィヒ]
2007   Der Mythos [Galerie Zeitzone、ベルリン]
     The Vision of a Cave [Galerie Zeitzone、ベルリン]
2005   発心青 [府中市立美術館、市民ギャラリー、 東京]
         A green Lion of the Art [O Gallery、東京]
         Art womb [川口アートファクトリー、 埼玉]
2004   ex-stasis [exhibit LIVE、東京]
グループ展
2014   "PHYSIS" [JDZB, Berlin]
           Distant Observations. Fukushima in Berlin [Kunstraum Bethanien Berlin]
2013   "PHYSIS" [ヴェリア&アテネ, ギリシャ]
           "Requiem"
在独日本大使館 [ベルリン]
            Rotes Neues Rathaus/
ベルリン赤の市庁舎 [ベルリン]
2012    Rundgang der UDK [ベルリン芸術大学]
            [Landesschule Porta,
ナウムブルグ]
2011    Rundgang der UDK [ベルリン芸術大学]
           
卒業制作展 [ベルリン芸術大学]
            New Year's Reception [Kunstraum Richard Sorge,
ベルリン]
2009    ZEIGEN. AN AUDIO TOUR THROUGH BERLIN BY KARIN SANDER
            [
テンポレーレ ベルリンアートギャラリー]
           
シュピンネライ125周年記念展覧会 [シュピンネライ、ライプツィヒ]
            A sustanible world is a just world  [Pro Art Gallery
、アテネ]
            Caravan show [
なびす画廊、東京]
2008    [Culture centre、トラヴニック、ボスニアヘルツェゴビナ]
            [Cavanacor Gallery
、ドネガル、アイルランド]
            [
シュピンネライ、ライプツィヒ]
2007    Unschuldige Malerei [アートルーム t27協会企画、ベルリン]
2006    La Menagerie [Galerie H 17、ウィーン]
2005    8201展 [exhibit LIVE、 東京]
          Avant-Girls [live]! [exhibit LIVE、東京]
アーティスト イン レジデンス 
2013 PHYSIS -a european project- ヴェリア、ギリシャ
2008   LIA - Leipzig International Art Programme、ドイツ

Web site: www.ayaonodera.com





ゲストが活動しているベルリンの風景(撮影:小野寺綾)


2014年4月14日月曜日

<後記> 第22回ゲスト:土屋萌児さんより

ALIMOさん、大野さん先日はありがとうございました。
対談の後半はおにぎりをくわえた娘も参加しお騒がせしましたが、楽しかったです。

アニメーションを作り始めた頃の話で、2人とも2004年にセルアニメーションみたいに絵を動かすにはどうすればいいのか考えた末に、ALIMOさんは絵を塗り重ねて動かし、僕は絵を切り取って動かしそれをビデオで撮影してアニメーションを作ってみたという体験について話したのが特に印象深かったです。
テレビや映画で見るアニメーションがどうやって作られているか知る前に自分でやってみたらこうなったという所からスタート出来たというのは実はすごく価値のある事なのではないかと思いました。

今、アニメーション作品”耳なし芳一”を作っている中で、その感覚と少し共通するかもしれないと思うのは、古来から民話や怪談話は口承で人から人へ伝えられてきたわけですが、もう少し怖くなった方が面白いとか、それぞれの解釈も混ざってゆくので話が生き物のように時代と共に微妙にデフィルメされていったのではないかと思います。
その後は多くの人が文字を読めるようになったり、小泉八雲が怪談を本にしたり、現在では文章をコピーペーストして伝える事が出来るようにもなったのでデフォルメされる余地があまり無くなってしまったと思いますが、僕は物事を正確に伝える事よりも人というフィルターを通って出てきた物が本人は同じと思っていても実際には前と違ってるという事の方に人間の可能性を感じてしまいます、そういう部分が愛おしいとも思います、そこで何を感じたのかにすごく左右されるからです、実生活では喧嘩の原因になるけど。
アニメーションを作るという行為も生き物のように人というフィルターを経由して勝手にデフォルメされながら今まで来て、これからも行くのだと思います。

ALIMOさん、大野さんこのような機会を与えて下さりありがとうございました。
実際に会える日を楽しみにしています!


2014年4月13日、土屋萌児

2014年3月28日金曜日

第22回ゲスト:土屋萌児

第22回 SALONAIRは、4月6日(日)日本時間 23時スタートです! 




1984年 東京生まれ。
2004年 音と動きの関係に魅了され、自宅の押し入れで独学によるアニメーション制作を始める。
2007年「遭難夫婦」映画祭co2にてアニメーション部門グランプリ。
2011年「黒いロングスカートの女」がOttawa International Animation Festivalにノミネートされた事を機に海外の映画祭などで上映されるようになる。同年、ミュージックビデオ「小学生の事情」がTBS Digicon6 award 優秀賞受賞。
2012年からベルリンを拠点に活動し、民話「耳なし芳一」をテーマにした作品を制作中。




ゲストが活動しているベルリンの風景(撮影:土屋萌児)