2013年4月21日日曜日

<後記> 第3回ゲスト:槌本紘子さんより


SALONAIR を観てくださった皆様、モデレーターのALIMO さん、stopmotionの大野さん、どうもありがとうございました。とても楽しくお話させていただき、本当にあっという間の一時間でした。スウェーデンに来てから常に駆け足のような生活だったので、私にとってはこの5 年半を振り返る良い機会にもなりました。
オンエアーの中では、テキスタイルでの制作から、パフォーマンス活動への変化についてお話させていただきましたが、実は、来週末に久しぶりにテキスタイルの作品がお披露目になります。スウェーデン人舞踏ダンサーSU-EN さんとのコラボレーションで、舞台芸術のような形で、有機的なテキスタイルオブジェクトを作りました。
3 年ほど前にSU-EN さんの舞踏に出会い、深く感銘をうけ、思い立って彼女のスタジオを訪ねたのがきっかけで、私のビデオ作品にも参加していただくことになり、更にはフェスティバルのオーガナイザーだったSU-EN さんが私をパフォーマンスの世界に導いてくれたという貴重な経緯があります。今考えると大きな出会いだったのですね。今回のコラボレーションにも深い意義があるように感じています。このプロジェクトは、K.R.O.P.P というダンスイベントの中で、今度の日曜日4月28日に(次回のSALONAIRにめちゃくちゃかぶってますが!笑)、Uppsala Konsert & Kongress という音楽ホールで行われます。
実際、久しぶりにテキスタイルに触れて、言葉には出来ないような喜びがあって、私にとってこの媒体で制作することにコンセプトなんて必要ないんじゃないかと、今心が揺れています。こないだの放送後に、ALIMO さんと大野さんとの雑談の中で、「私のテキスタイル作品、いいんですよ」と大口叩いてしまったのですが、本当にいいんですよ??(笑)これを機に以前とはまた違った形でテキスタイルにアプローチ出来たらと思っています「テキスタイルじゃ駄目よ」と言ったエディターさんにも「テキスタイルですが、何か?」って言えるようになるのが、密かな目標です。
来月のタリンでのイベントについてもこちらで報告させていただけたらと思います。「タリンで再会編」??ALIMO さんヨロシクお願いしますね~!

舞踏ダンサーのSU-ENさんとのコラボ作品 "There is there."

来週発表する作品"Unfolding"のwork in progress

2013年4月10日水曜日

第3回ゲスト:槌本紘子

次回SALONAIRは、4/14(日)日本時間 23時スタートです!





















札幌出身、1984 年生まれ。2008 年に武蔵野美術大学卒業後、スウェーデンに移住。2010 年Konstfack (国立美術工芸デザイン大学) 卒業。2011年スウェーデン王立アカデミーにて、Guest Studentとして制作/リサーチ。媒体はテキスタイル、ビデオ、サウンド、写真、パフォーマンスなど、多岐に渡る。

ダンサーLotta Melin、舞踏家SU-ENとのテキスタイルを用いた実験的なコラボレーション、タンザニアでのリサーチプロジェクト、パフォーマンスグループNon Grataとのヨーロッパパフォーマンスツアー、スウェーデン/フィンランド共同パフォーマンスプロジェクトFake Finn Wannabe Swedesへの参加など、国際的に創作活動を広げている。

最近の活動としては、Maison de l'Architecture (パリ)、Fylkingen (ストックホルム)、Culture Factory Polymer (タリン)、ミンスク現代美術館でのパフォーマンス、ノーテリエ市立図書館 (ストックホルム)での個展、華山1914 創意文化園区 (台北)でのグループ展など。

Hiroko Tsuchimoto WEB  http://hirokotsuchimoto.info/



 ゲストの住むスウェーデンの風景(撮影:槌本紘子)




★視聴者からの槌本紘子さんに対するご質問を受け付けています。
放送中に答えてくれたり、後日こちらのブログにQ&Aとして答えてもらうようにいたします。
orjaonair@gmail.comまで。


2013年4月3日水曜日

<後記> 第1回ゲスト:宮嶋みぎわさんより


この度は貴重な貴重な「第一回目」に参加させて頂き、ありがとうございました!ニューヨークとエストニアという全くカルチャーの違う世界の2箇所で日本人芸術家同士がトークをし、それを東京でミックスして放送する!とは、何とも21世紀的で、革命的で、これまで誰もそんなこと思いつかなかったと思うのですが、それをエストニアでひらめいてしまったALIMOさんは偉い!(^-^)

そもそも芸術家として働く、ということ自体がどんな人生なのか想像が付きづらいですし、ましてや、芸術家として働く×海外で生きる、なんてどんな毎日なのか全く想像が付きづらいと思うのですが・・・やってみると、悪くないもんです。そして意外と、私たち、普通の人間です(笑)。

この放送によって、20世紀には想像がつきづらかった
-芸術家になるという選択肢
-海外で生きていくという選択肢
について、少しでも皆様に情報が届くことを願い、祈っております!
ALIMOさん、STOPMOTIONディレクター大野さん、がんばって!

2013年4月2日火曜日

<Q&A> 第1回ゲスト:宮嶋みぎわさん


Q:NYの録音スタジオの環境はどんな感じですか? 例えば料金や借りるまでのシステムなど知りたい!
A:ごめんなさい、私は今奨学金で暮らしている身で、お給料を貰ってはいけない=レコーディングセッション(レコーディングのお仕事をこう言います)に参加できない身なので、スタジオのことはよく分からないです。。。NYにはさすがに音楽の街だけあって、数々の有名スタジオがありますが、不景気で廃業に追い込まれてしまったスタジオもあり、日本と状況が似ています。

Q:活動面で他に気になっている国はありますか?
A:うーん、ジャズはやっぱりNYが一番ですね。ジャズの巨匠は圧倒的に数多くNYに住んでいますので「日常生活で偉人に会える確率」が他の場所と違いすぎなのです。アメリカの中での他の都市すら検討したことがありません(笑)。ただ、将来作曲家としてもうやりたいだけ色々やって、後は余生をゆったりと・・・となったらドイツへ行くかもしれません。ドイツには公立のジャズバンドがいくつかあってアメリカのバンドよりも予算があるので、定期的に大きなコンサートやCD制作をやらせてもらえる可能性があり、これまでにも数々のビッグバンド作曲家がドイツで制作活動をしています。私の先生も今、ドイツのフランクフルトにあるジャズバンドの音楽監督とNYでの生活を兼任しています。

Q:偶然性や即興的要素は曲を書くとき、どれくらい意識してますか?
A:ジャズにはもともと「アドリブ」の要素が含まれているものなので、楽曲を作る際に必ず1カ所はアドリブで演奏する箇所を作ります。それはもう何というか、癖ですね。日本人が家に帰ったら靴を脱ぎたくなるのと同じで、私は、曲を作るときに必ず1カ所はアドリブにしたい。舞台にたとえると「こちらが決めた台詞だけで表現をしてください」という状況より「ここは、あなたがその時思った台詞を言ってくれればOKです」って箇所があった方が、演者らしさがよりダイレクトに出るのと同じで、即興で演奏してもらう箇所が残っていた方が、演奏家の個性がより強く濃くダイレクトに出るのですね。で、私はそれが快適なんです。

アドリブの箇所以外でも、私は「その時のひらめき」みたいなものをとても大事に思っています。

他の芸術家の方もこれは同じだと思うのですが、「新しいひらめき」が1つも入っていない作品はただの過去の焼き直しになってしまって面白くないし、でも「ただキテレツなだけでは、新しいかもしれないがバランスが悪くて楽しめない」ですよね。これは音楽でも顕著で、特に、音楽って結局からだで楽しむものだからだと思うのですが(耳で聞くだけじゃなく、リズムを取ったり、合わせて口ずさんだりね)、バランスが極端に悪いものって心地よくないのですよ。だからみんな、ある程度心地よいものを作ろうとするのですが、そうすると簡単に「これ○○のパクリだな」「焼き直しだな」ってものになってしまうんですよ。いとも簡単にその罠にはまる。けれども、「その時その時のフレッシュな感覚や、その場で思いついた即興的なフレーズ」をいつも、常に大事にして、何か「思いついた!」って時にすぐにキャッチアップして、それを作品に盛り込むように気を遣っていると、マンネリ化しすぎたり、焼き直しの罠にはまりすぎたり、そういう危険性から逃れやすくなるんですよね。

私たちの生活で完全な偶然のひらめきなんて全くなくて、全てが体験に基づいているものなので、3日後くらいに譜面を見直してみると、あれ、これ前にやったのと似てるじゃん、みたいなこともたくさんあるんですが(笑)、ま、それはそれで楽しいのでね、楽しみながらやってます。

Q:NYの生活や活動のなかで、思った以上に良かったこと、がっかりだったことを聞きたい!
A:思った以上にがっかりだった、というか、びっくりだったことは、ごくごく一般化して言ってしまいますがアメリカ人の仕事の精度が(平均化・一般化すると)悪いことですかね。日本人だと自分がやっている仕事を「適当にやる」とか「100%完成していないのに帰宅してしまう」とかありえないことだと思うのですが、こちらでは平気でそれをやりますからね。だから街は汚いし、電車はすぐ止まるし、台風の後復旧が遅いし、買った品物はすぐ壊れるし、支払った家賃を支払ってないと言われてもめるし、郵便局がものをなくすし、到着予定日までに荷物が来ないし、あれこれ大変です。この話をしはじめると、これだけで1週間くらい話せるので、ここまでにしておきますが、階級化社会ともこれは関係があると思っているンですよ。頑張っても上の階級に上がれる訳じゃないから、頑張らない、って人が労働者層に多いんですね。適当に楽しくやれてれば、良いんです、みんな。別に。日本は今、階級差がはっきり出始めていると言われていますが、将来こんな社会になっちゃったら私はちょっと嫌ですね・・・。

思った以上に良かったことは、思った以上に更に更に、ジャズの大スターと日々、会える!ということです。NYのマンハッタンってとても面積的に小さくて、杉並と世田谷足したくらいしかないのですが、その中に偉人がごろごろ居ますからね。すぐ会える。一日に何人も会えることも。そういうのってやっぱり、凄いです。偉人達はやっていることの質・量・規模が違いますからね、日々のちょっとした台詞の中にも物凄く深い話が含まれていたりします。そういう人たちって、日本にいたら2年に1回・一人やっと会えるか会えないか、くらいです。それがこちらでは、その気になれば1日3人くらいずつ会える。物凄い違いです。

私はジャズをやるなら、たとえ一時期貧乏になっても、日本での活動履歴が減ってコネが減ったとしても一度ここに来て住むべきなんじゃないか、と自分が来てみて本当に強く思いましたよ。あ、それと、ここには「そういう覚悟を決めて、人生のあれこれを棒に振ってでも勇気を振り絞ってNYへやってきた人」が世界中から集まって来てますので、町中でふと出会う人たちも覚悟決まってるかっこいい人が多くて、楽しいです。そういう街は世界中でNYしかないんじゃないかな?と感じ、ここに住んでいることを誇りに思う毎日です。


みぎわさん、ご回答ありがとうございます!