2013年12月2日月曜日

第17回ゲスト:塩原れじ

第17回のSALONAIRは、12月8日(日)日本時間 23時スタートです! 


写真家。1978年生まれ、千葉県出身。現在、ニューヨーク在住。2004年、東京藝術大学先端芸術表現科卒業、2008年、同大学大学院先端芸術表現専攻修了。20099月、リーマンショックの最初の犠牲者、そして世界的に有名な写真家アニーリーボヴィッツへ師事する。「第一級の技術の取得、そして超プライベート(私)と超パブリック(公)の境界を越える新しい写真表現の開拓」がスタジオでのテーマ。
主な活動に「VERY YOUNG, VERY MOVING」展(2012)、「Imagine Losing It All」展(2011)「ヴィヴィッド・マテリアル」展 (2008) 「マシュー・バーニー: 拘束のドローイング 10 & 11All Production Stills 金沢21世紀美術館(2005)等、国内外を問わず活動。主な受給歴に、ポーラ美術振興財団在外研修(2009)、文化庁新進芸術家海外派遣研修(2013)、日米芸術家交換計画(2013)等。20139月より、リーボヴィッツスタジオより独立し、ニューヨークにて自らのスタジオを設立予定。


Imagine losing It All 2011

VERY YOUNG, VERY MOVING 2012


今、近代から70年代を一つの中心としたポストモダン(14年~89年の75年間)あたりの僕らが生まれるちょうど前の時代に興味があります。そのリサーチの一環で、ここ数年は、東欧(ウクライナなどの旧共産主義圏/大きな物語や理想があった時代)、出雲(神や宗教が色濃く残る/近代以前の風景)等に旅をしながら、どう人間の人間性が変化してきたのか、、想像しながら考えています。そして現代へと続く、今後の「僕たちの在り方」のようなものをエストニアのALIMOさんと対話したいと思っています。
宜しくお願いいたします。

ゲストが活動しているNYの風景・201211月ハリケーンSANDY直後
ブルックリンからみたニューヨークマンハッタン(撮影:塩原れじ)
New York Manhattan seen from Brooklyn by guest after Hurricane 
SANDY in November 2012. (Photo:Reggie Shiobara)



第16回ゲスト:中川綾(ロンドン)アーカイブ映像


Video streaming by Ustream

2013年11月27日水曜日

<後記> 第15回ゲスト:山根星子さんより

先日の放送を観てくださった方々、「ベルリンからペコリン」でもいつもお世話になってます大野さん、そして何よりわざわざベルリンまで来ていただいたALIMOさん、ありがとうございました。 第一回目は想定外のトラブルにより中止、延期となり、「ベルリンに行ったら電波も安定した放送に なるね!」なんて言って本当に来ちゃったALIMOさん、海外で生活する上で何より大切なのはそのフットワークの軽さではないだろうかと改めて考えさせられました。

放送では既に何人かのベルリン在住のアーティストの方々がいらっしゃったし、私が不定期で放送させて頂いてる「ベルリンからペコリン」(http://www.stopmotion.jp/hoshiko_yamane.html)の番組内でベルリンの生活や街についてはご紹介させていただいているので、今回は主に自分の活動についてお話させていただきました。思えば私がドイツに来た2006年当時は、まだインターネット環境が今ほどになく、現地の情報も さほどわからないまま、単身異国の地へ飛び込むといった感じでした。エストニアとベルリンを skypeでつないで東京からリアルタイムで放送するなんて事は、当時では考えられなかったことです。

番組冒頭でもお話しましたが、20代半ばで留学生としてベルリンに来た私にとっては、他のアーテ ィストの方々のように「活動の場を日本から外国へ」といったアーティストとしてというような感 じでもなく、ベルリンがアート活動によいと聞いて来たわけでもなく、ただ偶然ここに辿り着いたといった感じです。そしてクラシック音楽の留学生として来たのに今の活動はまるで違う。一体どうな っているのか? というような言も度々聞かれますが、私にとってはごく自然な流れで、気づいた らこうなっていたという感じです。ただ1つはっきりわかるのは、日本で感じていた閉塞感、こうであるべきといった固定概念、そのようなものに縛られていたものが、ベルリンという街に来たことに よって可能性がいかなる方向にも開かれたということです。私は幼少の頃からヴァイオリンを習い、大学院まで音楽を勉強してきましたが、常に「ヴァイオリンと言えばクラシック、オーケストラ、裕福な家庭の習い事、クラシック演奏家になれなかった者は先生になる」等々の全てに違和感を感じて いました。何もかもが人それぞれで、音楽は自由です。表現方法は無数にあります。そのように何か 違和感を感じながら、人と違う事をしてみたいと思っていたのにその勇気が出せなかった、そんな私 がベルリンという街に出会って、自分自身が多方面に開かれて行きました。ベルリンという街は壁崩 壊後まだまだ発展途上で、あらゆるアートが集まっていて、チャレンジできる街です。幸運にも私は その機会に恵まれました。 私自身が現在行っている3つのプロジェクトは、ヴァイオリンを使った全く違うジャンルの表現で す。ヴァイオリンという楽器の可能性を追求するべく、あらゆる方向性から模索していきたい。それ が、偶然に巡りあったベルリンという街で私が得た「自分の音楽」です。

一概に「アート活動したいなら海外に出たほうがいい」などとは言えません。しかし、外国に出なけ れば見えなかった日本、私のように外に出たことによって開かれた可能性もあるということ。私のような音楽家(ヴァイオリニスト)の形もあるということ。 それらの話が少しでも伝わればと思い、SALONAIR出演と後記を書かせていただきました。
長くなりましたが、コラボ作品まで作らせて頂いて、ALIMOさん、本当にありがとうございました。次はタリンに遊びに行きます!!


山根星子オフィシャルサイト http://www.hoshikoyamane.com

ALIMO×Tukicoのコラボ作品

2013年11月26日火曜日

第16回ゲスト:中川綾

次回SALONAIRは、12月1日(日) 日本時間 23時スタートです!


74年愛媛県出身。ロンドンを拠点に活動するファッションデザイナー。東京でデザイナーとして8年勤務した後2004年渡英。ハイエンドブランドで経験を積み2008年より自身のColenimoをスタート。
Timeless,Elegance,Qualityをキーワードにイギリス、ヨーロッパ 、日本を中心に世界に向けてビジネスを展開中。


Colenimo web site: www.colenimo.com











ゲストが活動しているロンドンの風景

2013年11月16日土曜日

<後記> 第14回ゲスト:日名淳裕さんより

オーストリアの首都ウィーンはよく知られた音楽の都であるだけでなく、演劇、文学、絵画、建築、映画、アート、パフォーマンスなどあらゆる表現活動の一大拠点である。詩人ホーフマンスタールがオペラや映画の台本を書き、音楽家シェーンベルクが絵を描き、画家ココシュカが戯曲を書いたときに、背景としてあったのはあらゆる芸術家の横断的交流を可能にした芸術の街としてのウィーンであった。このような街の性格はいまも変わらない。文学作品を視覚化する舞台、音楽化するオペラ、映像化する映画、ひとつの詩に色と形をあたえる絵画。市中に星のごとくちらばるカフェにゆけば、観光客の傍らで著名作家がくつろいで執筆し、学生と教授が議論している。朗読会は作家が聴衆にすすんで自らを曝す場所であり、そうすることで受け手をみずからの作品のうちに取り込んでゆく。このような街に生活しながら文学を研究しているうちに、おのずとわたしの研究についての考え方も変わってきたように思う。いっぽうで体系化されたアカデミズムの世界に学びつつも、異なった表現活動との対話や接触を拒む理由はないはずである。むしろそのような<摩擦>からなにか新しいものが生まれることを積極的に汲みとってみるのもよいだろう。ちょうどそのようなことを考えていたときに、SALONAIRへの参加を呼びかけていただいた。東京―タリンを主軸としてそこから第三の都市へ、その地で活動する日本人アーティストたちへと「リアルタイムでジャンルを横断しながら」展開しようという試みにふかく共感した。
モデレーターのALIMOさんとの対談のなかでは、ウィーンで文学を研究しながら生活するわたしの目に映り、耳に聞こえ、肌に触れる風景を紹介したかった。近所にあるヨーゼフシュタット劇場と住宅街を告知用の写真として選んだ。その他の写真はアドミラル映画館、映画博物館、フロイト博物館、作家バッハマンの家、戦時中の高射砲跡、ホロコースト記念碑、文学の家などである。それぞれ、映画監督の話を聞きに行ったり、著名な作家の生活した土地を歩いてみたり、通りの喧騒の底にねむる歴史の傷跡を探したり、忘れられた文献を調査したりする際にしばしば訪れる場所である。
いくつかオーストリアの文学作品についても紹介させていただいた。青年期にウィーンで薬学を修めたトラークル、1948年にパリへの亡命途上に数か月ウィーンに滞在したパウル・ツェラン、そのツェランとウィーンで恋に落ちた詩人インゲボルク・バッハマン、ミヒャエル・ハネケの映画「ピアニスト」の原作者であり、2004年にノーベル文学賞を受賞したエルフリーデ・イェリネク、精神分析をはじめたジークムント・フロイトなど。ここで補うとしたら、劇作家グリルパルツァー、ネストロイ、ホルヴァート、ライムント、シュニッツラー、小説家カフカ、シュティフター、シュテファン・ツヴァイク、ロート、ヘルマン・ブロッホ、ムージル、批評家カール・クラウスらがいる。戦後にはいると、郷土作家ドーデラー、亡命先のロンドンで活躍したカネッティ、エーリヒ・フリート、劇作家トーマス・ベルンハルト、具体詩のヤンドルとパートナーで詩人のマイレッカー、劇作家ペーター・ハントケ、バオアー、シュヴァーブ、エッセイストのアイヒンガー、ヴィンクラーらであろうか。かれらの作品はすでにおおく日本語に訳されている。

最後になりましたが、モデレーターのALIMO様、東京から映像をつないでくださった大野様、番組を見てくださった方々、そしてともにオーストリアで研究に励んでいる同僚たちに、この場をかりて御礼申し上げます。





写真:世界遺産でもあるシェーンブルン宮殿の脇にある、戦争で破壊されたかつての宮殿の残骸


<翻訳書>

―比較的安価で手に入り、18世紀以降のドイツ語詩(トラークル、ツェラン、バッハマンをふくむ)を通覧できる
『ドイツ名詩選』生野幸吉・檜山哲彦 編(岩波文庫) 

―ウィーン世紀転換期の文学のアンソロジー
『ウィーン世紀末文学選』池内紀編訳 (岩波文庫)

―オーストリアの現代作家(ハントケ、イェリネク、ベルンハルトら)の戯曲を多く収録しているシリーズ
『ドイツ現代戯曲選30』(論創社)

<番組中に名前の出た美術館>

博物館地区 http://www.mqw.at/
アルス・エレクトロニカ http://www.aec.at/news/

<オーストリアにある文学関連施設>

国立図書館  http://www.onb.ac.at/
ウィーン大学図書館  http://bibliothek.univie.ac.at/
市庁舎図書館  http://www.wienbibliothek.at/
アルテ・シュミーデ  http://www.alte-schmiede.at/ 
オーストリア文学協会  http://www.ogl.at/
演劇博物館  http://www.theatermuseum.at/
フロイト博物館  http://www.freud-museum.at/cms/

<劇場>

ヨーゼフシュタット劇場  http://www.josefstadt.org/Theater/Startseite/index.jsp
フォルクステアーター http://www.volkstheater.at/home/aktuell
シャオシュピールハウス  http://www.schauspielhaus.at/schauspielhaus

<映画館>

映画博物館  http://www.filmmuseum.at/
ヴィエナレ  http://www.viennale.at/de

2013年10月28日月曜日

第14回ゲスト:日名淳裕

次回SALONAIRは、11月10日(日)日本時間 23時スタートです!













1983年広島県生まれ。2008年早稲田大学第一文学部ドイツ文学専修卒業。2010年東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学専門分野修士課程修了。2011年よりオーストリア政府給費生としてウィーン大学文学部ドイツ学研究所に留学中。専門はドイツ語文学、とりわけオーストリアの詩人ゲオルク・トラークル(18871914)を中心に近現代ドイツ語詩について、韻律論、草稿分析、受容史など多角的視点から研究。2012年ウィーン大学文学部にて博士論文執筆資格取得。  

論文 
Laurenziberg/Sils-Maria Kafkas Er im Vergleich mit einem Gedicht Nietzsches
ドイツ文学1432011, pp153-161
George und Hofmannsthal revisited ―詩「ふたり」と『盟約の星』― 
詩・言語782013, pp37-53 

ワークショップ 
The power of colour / Die Farbkraft und Farbmacht ベルリン・フンボルト大学 2013
口頭発表:Farbkraft in den Werken Georg Trakls und ihre Entwicklung bei Paul Celan ―Trakls „Delirium“ und Celans „Erinnerung an Frankreich“



ゲストが活動しているウィーンの風景(撮影:日名淳裕)































ゲスト山根星子さんとの対談延期について

第14回SALONAIR(ゲスト山根星子さん)は、10/27の放送中、PCの不具合が続いたため、良質な対談が出来ないと判断し、やむなく中止いたしました。よってアーカイブ映像もありません。楽しみにしていた方々ごめんなさい。
日を改めまして、11月中にゲスト山根星子さんの回を行なう予定です。日程が決まりましたら、再度告知させていただきます。

2013年10月21日月曜日

第14回ゲスト:山根星子

次回SALONAIRは、10月27日(日)日本時間 24時スタートです!
※いつもより1時間遅い24時からの放送です。


















4歳からヴァイオリンを始める。大阪府立夕陽ケ丘高等学校音楽科を経て、愛知県立芸術大学音楽学部卒業、同大学院修了。ロストック音楽大学でDiplom取得、首席で卒業。在学中ブランデンブルク国立管弦楽団で研修生として務める。現在では様々な音楽活動を展開。2011年からドイツの音楽グループTangerine Dreamのバイオリニストとして初の日本人メンバーとなり、世界各国でのコンサートに参加。その他、ジェーン・バー キン(フランス)sub-tle.(ドイツ)など、様々なツアーサポートをしている。自身のプロジェクトとしてはヴァイオリンとエレクトロニカのソロ・プロジェクトTukicoライブミュージックとコンテンポラリーダンスとのダンスカンパニーTansikKlangsteinとヴァイオリンとのデュオKiSeki(木石)などがある。



ゲストが活動しているベルリンの風景(撮影:山根星子)